教室長のきまぐれ日記ー塾はもっと使えます!
今回は塾の有効な利用法について、私の思うところを少し書かせていただこうと思います。
まず、塾は成績を上げたり志望校に合格するための手段の1つであり、道具の1つであるということを申し上げたいと思います。
成績を上げたり志望校に合格するために生徒本人と親御さんがしなければならないことがいろいろあります。家庭学習の習慣を作ることや、子どもの現状に合った適切な目標を設定する(高すぎず、低すぎず、その子にとってちょうどよい目標を立てる)ことなどです。また人間である以上やる気が高まることもあれば低くなることもあります。そういう不安定な人間の特性を知った上で家庭学習をマネージメントしようと努めることも、しなければならないことの1つだと思います。
成績向上や志望校合格を一種の経営目標と考えるなら、生徒本人と親御さんはそれぞれが経営者であり、目標達成に責任のある責任者ということになります。
そこでこの経営目標を達成するための一助として、塾に通うという選択肢が出てくるわけですが、生徒本人も親御さんも、目標達成に必要な努力のすべてを塾に期待して、完全に受け身の姿勢になってしまったりするなら、それは塾の利用の仕方としてとてもマズイと言わざるを得ません(塾に行っているから大丈夫とか、塾に行かせているから大丈夫というふうに思われていませんか?)。本当にすべてを塾に期待するなら、その子は毎日塾に来て授業を受けなければなりませんし、そればかりか塾の先生と毎日寝食を共にしなければならなくなるでしょう。現実問題としてそれはとても難しいことです。
生徒本人と親御さんに、基本的に自分でなんとかしようという気持ちがあれば、塾というものは大いに利用価値があるものです。もちろん塾には、自分でなんとかしたいけどどうすればよいか分からないという生徒や親御さん、またそもそもどうやって目標を立てればよいか分からないという生徒や親御さんに有効なアドバイスをするという大切な役割があります。しかし成績を上げたり志望校に合格するための「経営」を自分の問題として追求していかなければならないのは、誰よりもまず生徒自身でありその親御さん自身です。
塾が果たせるのは、生徒に教えるという役割とともに、経営コンサルタントのような役割、つまり日々の経営の診断(今の勉強の仕方や家庭環境のままでよいのかどうか)や軌道修正の勧め・軌道修正の具体的な方法の提案などです。生徒や親御さんに自分でなんとかしようという気持ちがなければ、こういった診断や提案には何の意味もなくなりますし、教わったことも他人事で、定着とはほど遠い結果となります。
でも、と多くの生徒や親御さんは思われるかもしれません。そうは言っても塾である以上、目に見える成果を出してこそ意味があるはずだと。確かにその通りです。目に見える成果をきちんと出すことが、塾の一番大事な役割です。このようなもっともらしいことを言うだけ言って大して成果を出さない塾など存在意義がありません。しかし、(これは私たち塾をやる者の心の叫びだと思っていただきたいのですが)塾を活かすも殺すもそれを利用する生徒や親御さんの姿勢次第、という部分が確かにあると思います。道具を活かすも殺すもそれを使う人の腕次第というのと似た部分があると思います。もちろんそうは言っても、塾には、生徒や親御さんの姿勢を変えていくように働きかけるという重い役割もあるのですが…
もう1つだけ、ここで申し上げておきたいのは、塾生の皆さんにはもっともっと塾の施設や塾の先生を利用してもらいたいということです。週に2回、合わせてせいぜい4時間ぐらいの時間を塾で過ごしたからといって、それで十分ということは決してありません。限られた時間の授業でそれぞれの生徒にいかに成果を出してもらうかを、私たち塾のスタッフは真剣に考え、日々試行錯誤しています。そういう中で、私たちは塾で教えながら、多くの生徒の勉強時間がまるで足りていないことを日々痛感しています。それぞれのご家庭で十分な勉強時間が確保できればそれに越したことはないと思いますが、それがなかなか難しいことが多いように見受けられます。塾生であれば授業のない日でも自由に塾の施設を使えますし、そういう時に必ず相手をしてあげられるわけではありませんが、授業中でなければ質問に答えたり自習を見てあげることもできます。ぜひとも生徒の皆さんと親御さんには、積極的に塾に来て、授業以外でも塾の施設と先生を使っていただきたいと思います。塾はもっともっと使えるものです!
水橋校 涌井 秀人