教室ニュース 水橋校ニュース教室長のきまぐれ日記ー進路の選択ー

教室長のきまぐれ日記ー進路の選択ー

教室長のきまぐれ日記ー進路の選択ー
アルファ水橋校の塾生の、この春の合格実績のすべてです
 富大人間発達科学部附属中学校
 富山高専機械システム工学科、同国際ビジネス学科
 富山中部高校探究科学科
 富山高校普通科
 雄山高校生活文化科
 滑川高校普通科
 水橋高校普通科
 信州大学人文学部
 富山県立大学工学部
 新潟県立大学国際地域学部
 日本大学生産工学部
 近畿大学文芸学部
 龍谷大学文学部
 金沢工業大学環境建築学部
 金沢星稜大学経済学部
※私立高校は記載していません。
合格実績と言いましたが、子どもたち、生徒たちの実績であり、塾はせいぜい彼らの背中をそっと押したにすぎません。自分の望みをよく叶えることができた生徒もいれば、望み通りにはいかなかった生徒もいます。塾をやる身からすれば、毎年この季節は一番緊張します。まさに塾の1年の総決算の時といった印象です。
大学名などを見て、なんだ大したことはないじゃないかと思われる方が、ひょっとしたらおられるかもしれません。しかし受験産業が長年にわたって撒き散らしてきた合格難易度ランキングの感覚だけに頼って考えていては、物事の本質は見えてきません。学校の本当の価値は、営利目的の企業が作ってきたそうしたランキング表に現れるようなものではまったくないからです。地方の国公立大学や私立大学の難易度が大都市部のそれらに比べて相対的に低くなるのは、何よりもまず単純に、志願する生徒の数が比較的少ないからという、それだけのことです。そうは言っても東大や早慶などには、やはり非常に多くの秀才が集まります。けれども同時に、受験勉強はよくできても、それだけでしかないような、つまり決められた勉強はよくできるが、独創性のかけらもないようなつまらない学生も、そうした大学には非常に多く集まることになります。
東大に入れたからといって、それでその後の人生の豊かさが―いろいろな意味での豊かさが―保証されるような時代ではもはやないことは、言うまでもありません。大事なのは、これも言うまでもないことですが、学生生活の中から何を得るかであり、それをどう過ごすかということです。東大に入れたからといって高慢になっていたり、「偏差値の低い」不本意な学校へ行く羽目になったからといっていつまでも鬱々としていたりすることは、どちらも貴重な青春時代を無駄にするに等しい愚かなことだと思います。東大といえども単なる容れ物に過ぎないのであって、そこで充実した学生生活を送れるかどうかは、学生自身の姿勢によるところが少なくないのです。秀才が多く集まる所には多くの刺激がありますが、それがために道を踏み外す者も少なくありません(しかし何事も経験、とも思います・・.)。あるいはまた、他人が敷いたレールの上を、何の疑問も持たずに明るくスイスイ進んでいくような「有能な」人間にどれほどの値打ちがあるのか、とも思います。
少し言葉が過ぎたかもしれません。受験産業の一角で仕事をしている私たち以上に偏差値や難易度ランキングの類いに縛られている者はいないだろうことを自覚しています。そういう自らの姿勢に対する罪滅ぼしをしたいという気持ちもあります。
ともかく、偏差値の高い学校ほどいい学校であると単純には言えません。世間一般の評価に惑わされて貴重な青春時代を棒に振るようなことにだけはなってほしくないと思います。1人1人にとって最適な選択は何かを考えるためには、偏差値という物差しだけでなく、他にもいろいろな物差しを付き合わせてじっくりと考えてみる必要があります。その子に合った最適な答えを見つけるのはそれなりに難しいことであり、慎重な上にも慎重にならなければならないところです。これは中学受験や高校受験にも言えることです。
水橋校 涌井 秀人