縁尋機妙
アルファ進学スクールには、30余名の専任講師・スタッフの中に5名の元塾生がいる。
彼らは元塾生だが、10数年の時を経て再び巡り合って今は頼もしき同僚である。
それぞれの理由はあるとしても、彼らは1人前の社会人として成長し当スクールを選んでくれた。
彼らが中学生時代もそして今もアルファにそれなりの価値を感じていてくれることをうれしく思う。
人は生きている間に多くの人に出会う。
しかし、人生を共有できる人に「巡り合う」のはそれほど多くはない。
家族や友人や同僚や師といった共に生きる人というのは、多い人でも100人以下だろう。
その数少ない人たちと喜怒哀楽を分かち合って人生をおくるのが実際である。
人生は顔の広さも大事だろうが、味わい深い人生は巡り合った人々との交友の中にある。
だから、5人といえども「巡り合えた」ことは少なくはないのである。
私はこの塾をつくってわずか29年。この間に彼らに巡り合った。
もし、私か彼らが違う時代に生まれていれば、出会うこともなかった。
宇宙ができて137億年。生命が地球上に誕生して40億年。
文明が生まれて4000年。29年など一瞬にも満たない。
もし、生まれる国や地方が違えば、出会うこともなかった。
彼らが、中国で生まれても、アフリカで生まれても出会えなかった。
そもそも、人間に生まれてきていなかったら、出会うこともなかった。
1年に人間として生まれてくるのは約1億人。あなたの体内にいる大腸菌だけでも数千億いるのだ。
無数に発生する生命の中で、人間として生まれてくる確率は実は限りなくゼロに近い確率なのだ。
人間は当たり前のように思っているかもしれないが、人間として生まれることだけでも至難なのである。
縁尋機妙。
人との巡り合いは、だから奇跡としか言いようがない。
ありえない偶然に偶然が幾重にも重なって、人は人に巡り合う。
私には神仏の仕業としか思えない。
だから、私はこの縁を、この巡り合いを大事にしたい。
彼ら5人だけではない。
塾生との出会いも同様に奇跡的である。
サービスを提供する、サービスを受けるといった皮相の関係を超えた出会いである。
この出会いが巡り合いへと発展し、かけがえのない人生を共有できる関係をつくりたい。
そして、お互いが巡り合えたことに感謝し、価値ある幸福な人生を送りたい。
アルファ進学スクールはそういう塾でありたい。
アルファ進学スクール 代表 能登清秋