「あなたは幸運な人ですか?」考え方ひとつで世界は変わる
「経営の神様」と謳われ、多くの人から尊敬の眼差しを集める松下幸之助さん(知らない人はお家の方に聞いてみて下さい)。その松下さんが入社試験の面接の際に「この中で自分は『ラッキーな人間だ』と自信のある人は前に出てください」とおっしゃったそうです。すると、大勢いた面接志望者の中から一名だけ前に出ました。結局、その一名だけ試験に合格した、とのことです。
最初この話を聞いた時、「ああ、結局は幸運な人だけがいい思いをするのだな」とがっかりした覚えがあります。が、よくよく考えてみると、そんな簡単な話ではないようです。つまり、大事なのは「自分は幸運な人間なんだ」と思うことなのです。
松下さんは若い頃とても苦労されたそうです。学校も満足にいけず、小学生の時から住み込みで働いていたそうです。しかも、病気がちで「20歳まで生きられるかどうか」と言われていました。そんな苦労続きの人生だったにもかかわらず、松下さんは一日一日を過ごせることを喜び、「こうやって生きていられるなんて、自分は本当に幸運な人間だ」と周りの人に感謝の念を絶やさなかったとのことです。
「自分は幸運な人間なんだ」と思えば、多少つらいことがあっても「自分はラッキーな人間だから絶対乗り切れ得る」とがんばることができます。また、「自分は周りの人に恵まれている」と感謝の気持ちで人に優しく接することができます。つまり、「自分は幸運な人間 = 物事を前向きに捉えることができる上に、謙虚な人である」と言えるのかもしれません。松下さんはそんな人と一緒に仕事がしたくて、最初の質問をしたのではないかと考えています。