教室長のきまぐれ日記ー成績を上げるにはー
すっかり寒くなりました。ひと月前にはまだ紅葉を楽しむ余裕もあったのに、気がつけばもう年末。大人は何かと気ぜわしい時季です(子どもも?)。体調に気をつけて、やるべきことをやって、できればゆったりした気持ちで正月を迎えたいものです。
子どもたちは期末テストを終えて、あとは冬休みを待つのみ。この時季、いくらかはゆったりした気持ちで過ごせるのではないでしょうか。受験生はそういうわけにはいきませんが、それでも、たまには息抜きをしながら、まだまだ長丁場、元気に落ち着いて乗り切っていってほしいものです。焦りは禁物。受験は短期集中で何とかなる相手ではありません。やるべきことを日々淡々とこなしていくことが大切。焦っていっときにやり過ぎて、体調を崩したりしては元も子もありません。
ところで期末テストの結果も出揃ったこの時期、成績について親子ともにいろいろ思われるところがあるかもしれません。不本意な結果に悩むこともあるでしょう。私はしかし、学期末のこの時期に、特に子ども本人が勉強についていろいろ考えることがあるのはいいことだと思っています。成績というのは本人が何とかしたいと強く思わない限り、向上することはないからです。
がんばっているのに結果が出ないということもありますが、それは大きく分けて2つの場合が考えられるのではないかと思います。1つは、文字通り確かにがんばっているのになかなか結果が出ない場合。これは基本的に心配は要りません。結果が出るには引き続きがんばる必要があるだけです。その調子でがんばれ!結果は必ず出る!と周囲の者は励ましてやらなければなりません。もう1つは、がんばっているといっても本人がそう思い込んでいるだけで、本当はまだがんばりが足りていない場合です。これは勉強についての本人の認識に間違いがあるということなので、周囲の者はその間違いに気づかせてやらなければなりません。
よく言われますが、がんばっているが勉強の仕方が間違っているのではないか?、正しい勉強の仕方さえ身につけば、成績も思うように上がるのではないか?という疑念は、一面では真理だと思いますが、たいていはまだがんばりが足りていないことの言い訳にしかなっていないように思われます。
勉強の正しい仕方というものは、人の性格が千差万別である以上、たった1つこれだ!と言えるようなものは本来ないはずですし、いくつかの典型的なパターンに分けて考えたりすることも、結局はできないのではないかと思っています。勉強の正しい仕方は、本人がいろいろ試行錯誤する中からしか、見つからないのではないでしょうか。試行錯誤するには相当な時間と労力が必要です。成績が上がらないと言ってぼやいている人には、あなたはこれまでどれだけの時間と労力を勉強に費やしてきましたか?と、私は問いたいと思います。
勉強ができるようになるかどうかは、たいていは間違って理解されている勉強の仕方というものによるのではなく、まして頭の良さ悪さによるのでもなく、単純に、これまでどれだけがんばってきたかというその一点にかかっていると思います。昔から変わらず受験産業が謳い文句にしがちな調子のいい言葉に踊らされるのは、単純だが骨の折れる結論から逃げたい、楽をしたいという気持ちがどこかにあるからではないでしょうか。
知らないうちに勉強ができるようになる、というのは、楽をして勉強ができるようになる、という意味ではなく、いつか必ずと信じて地道に泥臭く努力しているうちに気がついたらできるようになっている、という意味でとるなら真実です。それでは塾へ行っている意味がない、もっと即効性のあるやり方を伝授してくれるのでなければ!と思われるとすれば、それは塾というものの機能を勘違いされている、と私は言いたい気持ちです。
努力しなくても勉強ができるようになる、苦労しなくても成績を上げることができる魔法などありません。思うような結果を出そうとすれば、それなりの苦労は避けられません。問題は、その苦労を少なく見積もっているのではないか、認識が甘いのではないかと疑いたくなるようなことが少なくないことです。思うように結果が出ず諦めてしまうなどは愚の骨頂です。大事なのは甘かった認識を改めること、結果を出すにはこれまで自分が思っていた以上の努力をしなければならないのだと覚悟することです。
魔法などない、自分ががんばるしか成績を上げる方法はないと腹を据えることができれば、遅かれ早かれ成績は上がっていきます。勉強の仕方云々で頭を悩ませているうちは、まだまだがんばりが足りていないのです。本当にがんばっていれば、そういうことは気にならなくなります。私たちの仕事は、子どもたちに腹を据えさせることだと言っても言い過ぎではないと思っています。
アルファ進学スクール水橋校 涌井 秀人